七枚目/春一番
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こんにちは。今日は北陸地方で春一番が吹いたそうです。昨年の2月20日に比べて5日早く、今年全国トップの発表とのこと。
春一番というと語感が良く、なんとなく春の訪れを予感させてくれる言葉ですが、金沢はまだまだ寒く、明日以降もまた雪が降るかもしれません。そういえば二、三日前まで少し暖かく、このまま冬が終わるのではないかなどと考えていましたが甘かったようです。
暦の上では随分前から立春で、冬は終わっているのですが、実際に春らしい日が来るのはまだまだ先ですね。春一番というのはもともと漁師さんの言葉だったという説が有力だそうです。なんとなく俳句の季語のようで趣がありますよね。お隣の富山県には「あいの風」という言葉がありますが、他にもたくさん風の名前があるようで、春に関係するものだけでも、「東風(こち)」「春嵐(しゅんらん)」「春疾風(はるはやて)」など色々あるようです。日本語が風の名前をたくさん持っていることは、本当に豊かなことだと思います。
しかし、風の名前の多くは漁師さんや海運業を生業としてきた昔の人たちの文化からきているそうで、「言葉の歳時記」という本があるのですが、その中で著者は海に関わる人たちが危険と隣り合わせだったと指摘しています。
https://www.kadokawa.co.jp/product/321608000173/
私たちが趣があるなどと言って使う言葉の裏に生活者の実際や敬虔な気持ちがあったと考えると、言葉というものは本当に奥深いものだと思いを新たにさせられます。
デザインをするときも、文字や言葉の奥底まで思いを馳せたいものです。
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