
ここからつながる未来 / 報道特番のロゴとパーツデザイン
AD&D 清森達士
令和6年3月16日に開業した北陸新幹線金沢-敦賀間。
小松駅や加賀温泉駅など石川県内全線の開業と、福井県敦賀駅までの延伸が実現しました。
このタイトルロゴと派生パーツは、当日石川テレビで生放送された報道特番のためにデザインされたものです。
未曾有の災害に報道の仕事を通して尽力されてきた制作部の皆さんとお話ししたのは、今回の開業は震災の影響下にあり、単純におめでたいだけの記念日にはならないということでした。被害の甚大な能登と開業にわく加賀を繋げられる、本当の意味で石川全域にとどく番組でありたい。そんな思いがコンセプトです。
延伸開業の記念すべき日にふさわしい喜びや祝祭感はなければいけない。しかし明るいだけのものは違う。さらに今の時代らしさも欲しい。これらを基本的なハードルとし、その先まで高くジャンプした答えを模索する中で、新幹線の車体と県北部のシルエットをひとつのフォルムとして造形するアプローチを試みました。
色彩は加賀・金沢の伝統色と新幹線の配色に基づいた三色を調色し、キーカラーとして用いています。
大切な思いが込められたタイトル「ここからつながる未来」が、二つの地域をひとつのかたちにすべく繋いでいます。
時間が経って振り返った時、デザインに「その時 その場所の空気感」のような何かが現れることがあると思います。復興の第一歩でもあった今回の延伸開業を通して、報道に携わるの人々の「伝えたい思い」も未来に残したい。そう考えました。