「石川さんパレット」メインビジュアル / テレビ番組のポスター
AD&D 清森達士 P 湯浅啓 C 清森達士 LD&I 柳谷内正志 

石川テレビが新たに立ち上げた夕方の帯番組。そのメインビジュアルをデザインしました。
番組のコンセプトは「伝えたい。石川のいま」。
局内投票で選ばれた番組タイトル「パレット」には、”色とりどりの県民の声を伝えたい”という想いがこもっています。その思いを大切に、ビジュアルのコンセプトを立てました。

ニュース・報道と情報、バラエティがMIXされた帯番組という仕立て自体は決して新しくありません。
ただ、今回は10年以上続いた平日午前中の名物番組である「リフレッシュ」をやめ、夕方の報道番組にそのエッセンスを加えるという大きな挑戦が背景にありました。
その挑戦を象徴するビジュアルとしてポスターをデザインしています。

「報道も、情報も」というコピーはシンプルに番組の目指すところを訴求し、
メインキャスターである秋末さんにその言葉通りの一人二役を演じていただきました。
このビジュアルは石川テレビや秋末さんに馴染みのない人に向けて、少しだけ違和感を与えるように設計してあります。この二人は同じ人?と目を凝らしてもらえるように。

今回に関しては、興味をもってじっと見てもらうことこそがポスターの役割だと考えました。
二人の秋末さんが兄弟や双子のように見えると良い。そしてあたかも同じ空間にいるように写真を合成する。これが制作面で念頭に置いたポイントです。

背景は夕方の茜色と局のテーマカラーであるひまわり色をグラデーションしています。
全体のトーンとしてはグラフィックで賑やかにするのではなく、報道番組の持つ真摯な姿勢を上品な佇まいで表現することを心がけました。

ニュース、報道はデータではありません。情報番組もそうだと思います。
通信は自分の知りたい情報だけを選ぶことができる利便性と、個人のキャパシティやイデオロギーに簡単に支配される危険性を併せ持ちます。
だからこそ、この時代に”視聴者に寄り添いたい”というステートメントをもつ放送局は美しく、であればその佇まいは賑やかなバラエティ一辺倒ではなく、どこか品格を湛えたものであってほしい。そう考えました。