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    二十七枚目/蛇穴を出(い)づ

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    こんにちは。映像ディレクターでデザイナーの清森達士です。
    すっかり暖かくなって春らしい毎日ですね。
    道を歩いているとアスファルトの裂け目からつくしが生えていました。
    春といえば仲春の季語に「蛇穴を出(い)づ」と言うものがあるそうで、
    冬の間地中で冬眠していた蛇が春の陽気に誘われて地上へ出てくるのがちょうど三月の下旬〜四月ごろなのだそうです。恥ずかしながら蛇が冬眠することを初めて知りました。

    以前から俳句に興味があって、機会があれば始めてみたいと思う今日この頃ですが、
    「蛇 穴を出づ」でどんな句があるか調べてみると結構たくさんありました。

    ・蛇穴を出て今年はや轢かれたり
    ・穴を出て古石垣の蛇細し
    ・穴を出る蛇を見て居る鴉かな
    ・蛇穴を出でて石垣の春の水

    なかでもひときわ目を引いたのが「蛇穴を出れば飛行機日和也」(幸田露伴)という句。
    飛行機日和という言葉のなんともいえない良い響き。青空が目に浮かびます。
    蛇との取り合わせがまた良いですね。さらに蛇の目線でも読めると言うか、不思議な視点の妙があります。

    作者は明治時代より前の慶應生まれで、戦後間もなく亡くなっています。
    飛行機は戦闘機だったかもしれないという観点があり、その場合のんびりしたことは言えませんが、平和な空を見て書いた句であって欲しいものです。

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